2015年1月31日土曜日

Dean Blunt「The Redeemer」

K-ci&jojo使いのメランコリックなストリングスから幕を開けるアルバム。ミュージック・コンクレートの手法を用い、アコースティック楽器を多用しながら淡々と進んでいくその様は、さながら一つの映画を見ているかのようだ。Gavin Bryars辺りが好きな人にも聴いて欲しい。

2015年1月30日金曜日

RX「Strung Out / Prescriptions」

Delroy EdwardsとLAのミュージシャン/ビートメーカー、Benedekがタッグを組んだ7インチ。DelroyのロウでスモーキーなテクスチャーとBenedekのブギー・テイストが化学反応を起こして生まれたハイブリッド・トラック。

2015年1月29日木曜日

Urban Sax「Slow-Turn Around Melvana」

仏サックス集団による91年作。清廉とした女性コーラスからサックスの多重奏へと移行していく。昨年デビュー・アルバムをリリースしたハードコア・ミニマルグループ、Battle Tranceのルーツの一つは間違いなく彼らだろう。

2015年1月28日水曜日

Prima Materia「Roma 1976」

ホーミーやチベット仏教声明などを組み合わせた声のみによるドローンは、Phrupaのルーツのように聴こえる。Folke Rabeファンにも聴いて欲しい。

2015年1月27日火曜日

Charlemagne Palestine「Jamaica Heinekens In Brooklyn」

オルガンとオシレーターによる聴く者を包み込むような女性的なドローンに、突如サンバのような演奏が現れてくるという予想外の展開に驚かされる怪作。ドローン以外のサウンドは、ブルックリンのジャマイカ・デイパレードでCharlemagne自身がフィールド・レコーディングしたもの。Marina Rosenfeldファンに聴いて欲しい。


2015年1月26日月曜日

Dot(.)「Smoking Green」

現Coffinsのメンバーを含むバンドによる、01年リリース10インチから。爛れたディストーション・ギターが空間を覆い尽くし、Corruptedを思わせるグロウル・ヴォーカルが地の底から湧いていくる、完璧なドゥーム/スラッジ・ナンバー。Electric Wizardファン必聴。


2015年1月25日日曜日

Guerrilha「Rehearsal」

SepulturaとMutilatorのメンバーによる86年音源。ジャパニーズ・ノイズコアの強者たちも真っ青になりそうなほどの騒乱に満ちたブラジリアン・ロウ・スラッシュ/ハードコア。


2015年1月24日土曜日

Lord Of Putrefaction「Untitled」

Electric Wizard前身バンドによる91年のスプリット・アルバムから。スタイルとしてはスローなデスメタルだが、他を寄せ付けない圧倒的なヘヴィネスとEWの最新作「Time to die」に通ずる邪悪なヴァイブレーションは、すでにこの時代から持っていたことが分かる貴重なドキュメント。Jus Oborn、恐るべし。

2015年1月23日金曜日

Deku「ビニール解体工場」

第五列テープより。物音系インプロヴィゼーション、動物の鳴き声を模したかのような叫び声だけで構成したトラック、後のBoredomsのようにも聞こえるハードコア・パンク風の曲まで。東欧でカルト音源ばかりをアップする謎の男、Dronemf.S氏にも教えたいフリークアウト・ミュージック。

2015年1月22日木曜日

Ahnnu「Couch」

LAのプロデューサーによる2011年リリースのカセット。ビート・ミュージックだけでなく電子音楽など様々な素材をコラージュし、次々と展開を変えていくサイケデリックなミックスは、まるでPierre Henryがヒップホップに傾倒したかのよう。Eludemファンに聴いて欲しい。

2015年1月21日水曜日

Celtic Frost「Morbid Tales」

かつて灰野敬二が重くて速い演奏をするのはとても困難なことだと語っていたことがあるが、本作で展開されている演奏は正に重くて速い。泣く子も黙る爆走チューン「Into The Crypts Of Rays」から幕を開ける本作は、Electric Wizard, Brutal Truth, Mayhemらにも大きな影響を与えたエクストリーム・メタルの重要作。

2015年1月20日火曜日

Eric Copeland「Double Reverse Psychology」

強引に形容するならば、初期ベックとイシマルーがユニットを組んで作ったトラックをリミックスして、ビートを加えたかのようなサイケデリック・ミュージック。ウォーホルを題材にした映画を素材にしたアブストラクトなPVを見ながら聴いていると頭がイカれそうになるので要注意。

2015年1月19日月曜日

Quelle Chris「Milky」

スクリュードされた男性ヴォーカルを上モノに、曲の半分は"Milky”とだけ呟き、わずか2分ほどで終わってしまうシュールなトラック。Quelle Chrisの鬼才ぶりが遺憾なく発揮されている。

2015年1月18日日曜日

Basic House「Perishing」

Mike VestとSkull Mansionsを組んでもいる、Opal Tapes創設者の12年リリースのカセットから。ひたすらストイックに打ちつけられる重低音ビートを中心に、寒々しい空気を醸し出すアトモスフェリック・テクノ。Mikeとユニットを組むのも納得できるディープな音響はクセになる。

2015年1月17日土曜日

Luxurious Bags「Airpocket / Sad Banjo Pinwheel Eyed Pearly Smile Skull」

アメリカの謎のユニットによるEPから。1曲目はサイケデリック・ノイズ・ドゥーム。2曲目はトライバル・ノイズ・ドゥームというとんでもない構成。Tom Leonardという人物によるユニットらしいが、この男の素性が気になる。

2015年1月16日金曜日

Aïsha Devi「Luv Exstase II mix」

2014年のカルトヒット「Throat Dub」から幕を開けるミックス。ミニマルテクノ、ダブ、民族音楽など幅の広い素材を自在にプレイし、飽きさせない展開を作り上げている辺りは流石。DJ灰野敬二と対バンしたら面白そうだ。

2015年1月15日木曜日

Phill Niblock「Two Lips (feat. Dither Guitar Quartet) 」

ドローンの大ベテランによるTouchからリリースされた最新アルバムから。 NYのエレキギター・グループ、 Dither Guitar Quartetをフィーチャーしたらしいが、ギターのテクスチャーを全く残さない冷徹なドローンはHarry Pussyの怪盤「Let's build a pussy」を思わせる。

2015年1月14日水曜日

Blown Out「Quantum Shift On Plague Mothership」

あらゆるエクストリーム・ミュージックに精通するギタリスト、Mike Vestの絶妙なブレンド感が冴え渡った2014年の重要作の一つから。ドゥーム・メタル的なヘヴィネス、スローネスにサイケデリック・ロックのトリップ感覚を配合して生まれ落ちたミニマル/ドローンは、彼以外に成し得ないサウンドであろう。

2015年1月13日火曜日

Hot Poop「Er Is Geen Brug」

Onnyk氏より突如送られてきた音源は、オランダのKubus Kassettesよりリリースされた82年のカセット。微かに鳴らされるアンビエント的なサウンドをバックに、名だたるヴォイス・パフォーマーに勝るとも劣らない迫力をした幼児のシャウトが響き渡るトラック2が圧巻。対照的な要素をミックスし、聴く者にアンビバレントな感情を引き起こす豊かな発想力には、80年代オランダ実験音楽シーンの奥深さを思い知らされる。

2015年1月12日月曜日

Ten City「All Loved Out (Love serenade Mix)」

Joe Claussell Mix。滑らかに爪弾かれるギターと、朝もやのようにうっすらとかかったシンセのコンビネーションが陶酔をもたらすディープ・ハウス名曲。


2015年1月11日日曜日

Uku Kuut「Vision Of Estonia」

PPUが発掘した85年産エストニアン・スローモーディスコ。ダビーなビートを基調に幻想的なフルートがたゆたい、フュージョン的なキーボードが鳴り響く、独特なムードを持つサウンドに耳が奪われる。Quiet Village辺りのファンに聴いて欲しい。


2015年1月10日土曜日

Delroy Edwards「Real nigga shit」

甘酸っぱいメロディとピッチを落として歪んだ男性ヴォーカルを上モノに、ミニマルなビートを紡ぎ続けるスクリュードR&B。King Midas Sound feat.Pupajim「Frequencies」の世界観にヤラれた人は必聴。


2015年1月9日金曜日

Ngly「Ilusx」

暴力的とも言えるほどの重低音ビートとアトモスフェリックなシンセを組み合わせたトラックは、ヘヴィメタリック・テクノとでも呼びたくなるサウンド。Persons of interestファン必聴。


2015年1月8日木曜日

Dirty Beaches「Badlands」

PresleyやPhil Spectorの亡霊を召喚し、水谷孝の気配を漂わせながらも、新たな時代のサイケデリック・ロックを提示するという離れ業をやってのけた2011年作。日本のサイケデリック・ロック・ファンに聴いて欲しい。


2015年1月7日水曜日

Jambinai「Sonkkŭt'esŏ sonkkŭt'ŭro」

ヨーロッパで熱狂的な人気を博している韓国の男女トリオによるファーストEPから。へグムやコムンゴといった韓国の民族楽器を使ったスピリチュアル・ドローン/アンビエント。自分達のルーツに根差した独創的な響きは聴く者を魅了する。


2015年1月6日火曜日

D'Angelo and The Vanguard「Really Love」

ニューアルバムのトレイラーでも使用されていた楽曲。ボサノバのように繊細なタッチのアコースティック・ギターとハンドクラップのようなビートを効果的に組み合わせたリリカルなトラックと、セクシーなボイスが響き合うラブソング。


2015年1月5日月曜日

福田柊「Me And My Marshall Amp」

12年リリースの7インチから。ラリーズとSuicideが出会ったかのようなクールなサイケデリック・パンクはDirty Beachesファンにも聴いて欲しい。


2015年1月4日日曜日

Andy Stott「Violence」

凍てつくほどに透き通った声を聞かせる女性ヴォーカリスト、Alison Skidmoreをフィーチャーしたニューアルバムからのトラックは、重低音を強調したビートを軸に間をとりながらゆっくりと進行していく。ドゥーム・テクノとでも呼びたくなるそのサウンドは孤高の領域。


2015年1月3日土曜日

France「Meltdown Of Planet Earth」

フランスの若き即興音楽家、Cyril M.に紹介してもらったフランスのグループ。まるでドゥームメタルのごとき鈍重なビートでミニマルなリズムを刻み込み、そこにエレクトリック・ハーディガーディが軋みをあげて絡みついていく。ドゥーム、サイケデリック双方のファンが聴くべきオリジナリティの音楽。


2015年1月2日金曜日

Black Pussy「Butterfly」

Thin Lizzy辺りの70'sハードロックとドゥーム/ストーナーを融合させたかのような音楽をプレイするポートランド出身の5人組。自らの音楽性をStoner Popとも表現しているが、親しみやすいメロディラインといい、ハモるツイン・リードギターといい、ここまでスケールの大きいハードロックを聴くのは久しぶりだ。Electric Wizardファンにも聴いて欲しい。


2015年1月1日木曜日

Deadbeat & Paul St Hilaire「Under cover」

モントリオールのプロデューサーとダブテクノの重要作の数々に参加してきたヴォーカリストとのコラボ。ストイックに打ち鳴らされる四つ打ちビートとアトモスフェリックなシンセが響く中で、Paulのハスキーなヴォイスが木霊するスモーキーなミニマル・ダブがクール。