2013年11月21日木曜日

Vinyl Experience (6) フィジカル&エクスペリエンス


Text:堀 史昌


 「僕は一万もの曲をポケットに入れて持ち運ぶことができる。でも、その音質が12曲入りレコードに匹敵するかといえば、答えはノーだ」

ビルボードマガジンの編集者Joe Levyは、音質の側面から音楽ファイルに疑問を投げかける。音の良し悪しは個人の好みの問題であり、最終的には主観によるところが大きいと思うが、数学的/物理学的に見てもレコードの音の方が良いと主張する者もいる。以下、桜井進と坂口博樹の共著「音楽と数学の交差」より引用する。

2013年11月7日木曜日

ニューナンブ (3)


Text:Onnyk





第五列前夜3

 ピナコテカレコード、吉祥寺「マイナー」と言えば、もしかすると凄く興味を持ってる若い人がいるかもしれない。まあ、実際、今年になってからなんだかんだと70年代後半から80年代にかけての活動についていくつか取材があった。だから当然、最初はジャズ喫茶だった「マイナー」のことや、そのオーナー佐藤隆史さんが設立したレーベル「ピナコテカ」のこと、それに関連したレコードのリリースや、第五列、アノードカソードのことなども話さなければならなかった。

特に、今年はディスクユニオンからDEKUスタジオ、第五列、ピナコテカの共同製作による「なまこじょしこおせえ」というLPCDになって再発されたことや、第五列の70年代から今世紀に入ってからの演奏まで収録したボックスセットが出た事もあって、ドミューンにも出演した。だから正直言えば詳しい事は、それらを買ってちょうだいという気持ち。雑誌としてはデザイン系の老舗雑誌「アイデア」(第357号)にもゲソ藤本がインタビューで応えています。このニューナンブもまあ、その一つなんだが、ちょっと逸れて私自身の興味の問題に触れたい。というのは、私の最新の演奏と、思春期に入ったばかりの精神の志向性がどんどん近づいていて、これを人は「二度ワラベ」とでも言うのだろうか。心配である。で、その対象となるのがバイオリンだ。