インタビュアー:堀 史昌
ヨーロッパでは高い評価を受けていながら、日本では全く伝えられていないアーティストがいる。今回インタビューを行ったMike Vestはその一人だ。サイケデリック・ドローン・グループBongをはじめとして、11 Paranoias、Haikai no ku、Basillica、Blown Out、Nunなど数多くのプロジェクトで精力的に演奏をしているが、彼の活動を知っている日本人が果たしてどれだけいるだろうか。Mikeは多忙な合間を縫って、Facebookを通じてインタビューに応じてくれた。彼の活動を一早く、日本で伝えられることを誇りに思う。
―私が知っているあなたの現在のプロジェクトはBong、Haikai no ku、 Blown out、 Nun、 11 Paranoias、 Lobster Priest、 Basillicaです。実際には、いくつのプロジェクトに参加しているのでしょうか?これ以外に参加しているプロジェクトがあったら、プロジェクト名とコンセプトを教えてください。
Mike: これ以外ではSpace
VictimとJackalというグループがあるね。全てのプロジェクトがここに載っている。
あなたは多くのグループに関わっていて、そのどの作品も素晴らしい。これはとても難しいことだと思います。どのようにして創造に対するインスピレーションを得ているのでしょうか?あと、日々の活動について教えてもらえますか?あなたは毎日のように録音、あるいはギグを行っているのですか?
Mike: ハハ、毎日ではないよ。でも常に音楽に取り組んでいるね。創造は僕の人生にとってとても自然なことさ。この世に何かを残すことが自分の義務のように感じているんだ。この狂った惑星に足跡を残すためにね。
いつ頃から音楽にハマったのでしょうか?そして当時はどんな音楽を聴いていたのですか?あなたの好きな音楽家あるいはグループを教えてください。
Mike: 音楽にハマり始めたのは11かそこらだったと思う。クラシックなロックを大体親父を通じて聴いていた。彼はジミヘンやCream、Led Zeppelinなんかを好んでいたよ。彼はこれらのバンドは皆、レコードでは控えめに演奏するように強いられていたといつも語っていて、ライブアルバムやそういった音源にもっとハマったんだと言っていた。俺は元々ドラムをプレイしたかったが、親父が俺にはギターが合ってるって言ってくれたんだ。フェイバリットグループは、Amon Dull、Guru Guru、Astro、不失者、Black
Sabbath辺りかな。でも、これを言っていたらキリがないね。フェイバリット・グループを言うのは難しいよ。
Haikai no kuの作品は不失者からの影響を感じます。どうやって不失者のことを知ったのですか?灰野敬二を音楽家としてどのように思いますか?
Mike: 彼は信じられないよ。彼のギターワークは天才的で、持久力もハンパじゃない。不失者は今まで何度か見たけど、未だかつてあのような演奏は見たことがない。特にHaikaiでは日本のサイケデリックの暴力的な側面を出来る限り拡張しているよ。
灰野さんは10年ほど前に私のイベントでDJをしたことがあります。ところで、あなたは水谷孝をYoutubeのアイコンとして使っています。裸のラリーズのことも好きなようですね。彼らの他に好きな日本のサイケデリック・グループはいますか?
日本では近い内にラリーズが再結成するという噂が出てきています。それが実現するかどうかは分かりませんが。あなたが最初に結成したグループについて教えてもらえますか。そのグループではどんな音楽をプレイしていたのでしょうか?
Mike: 再結成は最高なものになるだろうね。でも、もしまだ水谷がいるのなら、彼にはその想像を超えたものをやってほしいと思っている。14、15辺りの頃は学校の多くのバンドでプレイしていたよ。でも全く音源には残っていない。俺が初めて本当に過激な表現を経験したのは19か20の頃に参加していたUltra
Shit Infernoだね。
Ultra Shit Infernoの映像は初めて見ました。まるでAxCxのような本当に狂ったグラインドコアですね。Ultra Shit Infernoの後は、どのようなグループに参加したのでしょうか?
Mike:ベースとギターをいくつかのグラインドコア、ハードコアバンドでプレイして、Bongを始めたんだ。続けていくにつれて、一緒にプレイする仲間が出来て、もっと多くのバンドをやるようになった。気楽にやっていって、短期間で多くのことを学んだ。それ以来、全てが軌道に乗っているように思えるね。
様々なグラインドコア/ハードコアバンドでプレイして、突然ドローンメタルを演奏するようになった。あなたはのキャリアはユニークなように感じます。まるでNapalm Deathで演奏していたLee DorianがCathedralを結成したように。Bongを結成した頃のあなたの気持ちを教えてもらえますか?
例えばどのドローン/ノイズグループに影響を受けていますか?そして、Bongにはシタールのプレイヤーがいます。これはユニークなアイディアですね。なぜ、シタールを演奏しようと思ったのですか?
Mike: Incapacitants、 Astro、
C.C.C.C、 South saturn delta、 Jazzfinger、 Culver、 Romance、Ryn、Skullflower、 Totalなんかだね。俺たちはシタールを加える前の数年間トリオで演奏していたんだ。俺の旧友がどこかから戻ってきた時にシャヒ・バージャ(インドのエレクトリック・ツィター)を持ってきたんだ。それで彼に参加すように俺が頼んだのさ。
Earth, Sunn O)))はドローンメタル・グループの典型だと思います。ここ数年、多くのバンドが彼らの影響を受けています。でも、Bongの音楽は彼らとは違います。もっとディープで瞑想的なサウンドです。これについてどう思いますか。
Mike: それは本当にそうだと思うよ。音色が全てを握っているのさ。「Earth 2」と「Grim Robes」はいつも俺のオーディオ機器のそばに置いてあった。偉大なバンドさ。
Bongの初期の作品「A
Roomful Of Cunts with Waz Hool」「In And Around
Newcastle」などはFuckin' Amateursからリリースされています。このレーベルはまたHaikai no ku, Lobster Priestなどもリリースしています。このレーベルの詳細について教えてもらえますか?
Mike: Fuckin' Amateursレーベルは俺らのショウをよくブートレッグ化していた。俺らは他のバンドと同じようにニューキャッスルでよく演奏したり、コラボレーションしていたんだ。これらの全てのショウは、ライブで配布するために限定版CDRとしてアルバム化された。彼らは本当にすばらしい奴らだよ。
Bongの最新アルバムのタイトルは「Stoner Rock」です。このタイトルを聴いたとき「何?Bongのタイトルがストーナーだって?」と思いました。でも、この深く、瞑想的なサウンドのアルバムを聴いて、あなた達のいわんするところが分かったように感じました。これが新しいストーナー・ロックなのだと。あなた達はどうしてストーナーロックを再定義しようと思ったのでしょうか?
Mike: 音楽ジャンルを拡張するという考えを実践することがもっと重要さ。俺たちが挑戦して、皆にも試してもらうんだ。
最近、日本のドゥームメタルで注目しているバンドはいますか?
なるほど。あなたが日本で演奏しているところを早く見たいです。日本に来る予定はありますか?そんな11 Paranoiasのニューアルバムはどのような感じですか?以前よりもサイケデリックに仕上がっているのでしょうか?
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