2014年9月30日火曜日

11 Paranoias「Surrealise」

八面六臂の活躍をするギタリストMike Vest参加のドゥームメタル・トリオによる新曲。のっけからサックスを導入した、今までにない展開を見せるサイケデリック・ジャム。
ニューアルバムに期待したい。

2014年9月29日月曜日

Inanna「Awakening (State I/State II) 」

現在は本名でミニマルテクノをリリースしているのMikael Stavöstrandの初期作品。「State Ⅱ」のNeubautenよりもヘヴィなメタル・パーカッションがインパクト大。Jani Christouファンにも聴いて欲しい。

2014年9月28日日曜日

Mohammad「Hapsía」

チェロ、コントラバス、オシレーターによるギリシャのトリオ。同郷のブラックメタル・バンド、Rotting Christのボーカルをゲストに迎えて創られた、不協和音に満ちたドローンからはポストSunn O)))の可能性を探っていることが感じられる。

2014年9月27日土曜日

Antonio Adolfo e a Brazuca「s/t」

やわらかく繊細なタッチで描かれた70's ブラジリアン・サイケデリック・ポップスの世界。「Claudia」をはじめ、名曲がたっぷり詰まっていて、リーダーのAdolfoのソングライティングの鮮やかさに驚かされる。

2014年9月26日金曜日

Cathedral「The Ethereal Mirror」

最早、速さにこだわることはクールではない、むしろ遅い/重いことの方が遥かにクールだということを知らしめた衝撃の1stから2年後にリリースされた2nd。現在のドゥームメタル・シーンの隆盛を築くことになった礎ともいえる名作と断言できる。

2014年9月25日木曜日

Mestre Moraes「Gcap tem dende」

ブラジルの伝統芸であるカポエイラの音楽。ビリンバウとパーカッションによってミニマルかつ繊細なリズムを弾き出し、力強い男性ヴォーカルとコーラスが響き渡る。ミニマルかつドゥーム的なサウンドはナイヤビンギをさらにドープにしたかのよう。

2014年9月24日水曜日

灰野敬二 with Boris「Black: Implication Flooding」

Borisの繰り出す重苦しい遅重サウンドに、灰野はドローンを奏でる発信器と野獣の如き咆哮、そして幾つかの民族楽器で応戦する。ドゥームもサイケデリックも超え、未知の領域にまで踏み込んだサウンドからは彼らの創造に対する熱い意欲が感じられる。

2014年9月23日火曜日

Swamp Witch「Strange Cults」

USドゥーム/スラッジの新鋭によるニューアルバム「The Slithering Bog」からのトラック。ギターは正統派ドゥーム寄りのリフを奏でるようになってきたが、地獄の底から沸き上がってくるかのようなJimmyのグルーミーな声は相変わらず凄すぎる。Corruptedファン必聴。

佐藤聰明「エコーズ」

Text:Onnyk

音楽の極点を目指すレーベル「オメガポイント」(東京)は、第二次大戦後の日本の作曲家達の、知られざる傑作、埋もれた名作を発掘し、自主制作してきた希有な存在である。その作品は特に電子音楽、テープ音楽と呼ばれる分野に特化している。最近では2年前、ジョンケージ生誕百周年に合わせて、1962年にケージが盟友デヴッドチュードアと共に初来日して、草月会館において繰り広げた驚くべき演奏の数々を、眠っていたテープ群の発見により遂にCD、LPとしてリリースした(当時の上演風景の写真も併せて)。これこそのタイトル通り「ジョンケージショック」だった。

そのオメガが自信をもって送り出した電子音楽の傑作がここにある。仙台出身の作曲家、佐藤聡明の自作録音による2作、「エコーズ」(81年)と「エメラルドタブレット」(78年)である。オリジナルテープが失われ、またマルチチャンネル録音であったことから有馬純寿の尽力によって改めてマスタリングされ、佐藤自身からもお墨付きをもらった状態でリリースされた。その音の幽玄さは筆舌に尽くし難い。恐るべき闇と、その彼方から指して来る光明のような、あたかも臨死体験とはかくやと言えそうなサウンドの波が押し寄せて来る。情緒不安定な人には推薦できない。これは明け方に、一人で、充分にリラックスした状態で聴くべきである。そうでなければこの2作品の真の価値は分かるまい。

2014年9月22日月曜日

Anenon「Shibaura」

LAのミュージシャンBrian Allen Simonによるソロユニット。 Terry Riley「Keyboard Studies」を思い起こさせるスケールの大きなミニマルトラックに圧倒される。

2014年9月21日日曜日

Taxes「Lawnmower Man」

PatriciaとNglyの2人による今を感じさせるロウ・ハウス。Person of interestが好きな人は必聴。

2014年9月20日土曜日

Ol' Dirty Bastard「Nigga Please」

「ワイルドマン・フィッシャーみたいだな」今やNasもプレイするDJ 灰野敬二がヒップホップにはまり始めた頃の作品の一つ。ナチュラルにアバンギャルドなOl'dirtyの異才が爆発した名作。こんなに個性的なラッパーが現れることもそうないだろう。

2014年9月19日金曜日

フランスの即興音楽家Cyril M.、新作「Diffraction」をカセットでリリース

今年1月に弱冠19歳にして日本ツアーを敢行したフランスの即興音楽家Cyril M.が、新作カセットを10月上旬にリリースする。

H.S.「Untitled」

Huerco S.変名のドローン・テクノ。意識をもっていかれそうになるマッドなドローンはテクノファンのものだけにしておくのはもったいない。

2014年9月18日木曜日

Full Of Hell「Gordian Knot」

アメリカはメリーランド出身のバンドとMerzbowとのコラボレーション・アルバムからのトラック。90'sデス/グラインドコアとブラッケンド・クラストをミックスさせたかのような熾烈なサウンドを繰り広げる怒涛の56秒。Young and in the wayファンに聴いて欲しい。

2014年9月17日水曜日

Noise「天皇」

現在USツアー中のMahel Shalal Hash Bazのリーダー、工藤冬里と妻の礼子によるユニット。寒々しいオルガンとか細いフィメール・ヴォーカルが全編を貫く極北的サウンドはエクスペリメンタルなブラックメタルが好きな人にも聴いて欲しい。

2014年9月16日火曜日

SpaceGhostPurrp「Dark Angel (Low Quality)」

同じフレーズがエコーのようにリフレージングされるリリックが呪術的なムードを生んでいく。さらにはメタルのリフまでサンプルした、新境地を切り開くトラック。

2014年9月15日月曜日

Aphex Twin「Richard D. James Album」

テクノやアンビエントという領域を遥かに超え、Richard D. Jamesでしか成し得ないパーソナルな音楽を完成させた最高傑作。新曲を聴いてAphexってこんなもんなの?と思った若い人にはぜひ聴いて欲しい。

2014年9月14日日曜日

Haribo「Rabbit hole」

現代にローファイ/ジャンクのテイストを甦らせる最高にイカしたブルックリンのグループ。サバス風のグルーミーなリフとチープなドラムマシーンでサウンドの骨格を作り上げ、演劇的なヴォーカルが響き渡る。Guardian Alien同様、今後日本でも注目されていくだろう。

2014年9月13日土曜日

v.a.「Judgment Night」

Bad BrainsやBeastieらによって80年代初頭に始まり、以後も連綿と繰り広げられてきたミクスチャーの一つの到達点。トラック②、⑦の異色の組み合わせが最高。

2014年9月12日金曜日

Aïsha Devi「Luv Exstase II mix」

2014年を代表するトラック「Throat Dub」から始まるポッドキャスト。テクノ、トライバル・ダブ、ヒップホップなど、特定のジャンルに偏ることなく、多様な音楽のエキスを注入したユニークなミックスに仕上がっている。

2014年9月11日木曜日

Somaticae「Dressed like a bubblegum」

フランスのレーベルIn Paradisumからリリースの、アシッディーなウワモノに変化を加えて遊びまくる変態的なテクノ。Low Jackもリリースするレーベルだけあって、一筋縄ではいかない実験性に溢れている。

2014年9月10日水曜日

Silent Servant「LN-CC Store Mix 042」

インダストリアル、コズミック、アシッドといった80'sフレイヴァーの音源を徹底的に使いながらも、モダンなミックスに仕立てあげた手腕に唸らされる。Trevor Jackson「Metal Dance」辺りが好きな人は必聴。

2014年9月9日火曜日

Blackest Ever Black「August 2014」

ロンドンの暗黒インダストリアル/テクノレーベルによるポッドキャスト。闇夜に響くかのようなハイトーンが灰野敬二を想起させるJohn Averyから始まり、アンビエント、ポストパンク、SSWと多岐に渡るジャンルがプレイされ飽きさせない構成になっている。

2014年9月8日月曜日

Stuart Dempster「Cloud Landings」

Pauline Oliverosとの共演で知られるトロンボーン奏者によるドローン。シアトルの巨大タンク内での録音による、リヴァーブを活かした、柔らかくも透徹とした響きはEliane Radigue辺りのファンに聴いて欲しい。

2014年9月7日日曜日

Gang Starr「Daily Operation」

Gang Starrの最高傑作。DJ Premierが繰り出すドープなビート、トリッキーとも言えるプレイは90年代に隆盛したアンダーグラウンド・ヒップホップにも多大なる影響を与えたに違いない。

2014年9月6日土曜日

Eardrum「Deep End」

GodやIceでKevin Martinと活動を共にしてきたドラマー、Lou Ciccotelliによるグループ。民族音楽、ジャズ、ダブの要素を混入させた複雑なサウンドはDJ Kenseiのフェイバリットでもあった。あまりにも過小評価されているのが残念でならない。

2014年9月5日金曜日

Simon Pyke「Universal Everything & You」

Freeform名義で90年代から活動を続けてきたアーティストによる展示会のためのサウンドトラック。パーカッション、女性ヴォイスなど様々な素材を織り交ぜつつ作り上げる多層的なミニマル・ミュージックは、Terry Rileyファンにも耳を傾けてほしい。

2014年9月4日木曜日

Douglas Leedy「The Harmonarium」

Terry Riley、La Monte Youngらとも交流のあったミニマル/ドローンのパイオニアの一人による72年リリースの3LPから。小さく低い音をひたすら持続させていく、これぞドローンというサウンドに痺れる。

2014年9月3日水曜日

Eraldo Bernocchi & Thomas Fehlmann「Add Water」

アンビエント/エレクトロニカ的なウワモノにエッジの利いたビートが突き刺さるクールなテクノ。Indopepsychics、Monolake辺りが好きな人に聴いて欲しい。

2014年9月2日火曜日

The Hototogisu「Untitled 1」

Skullflowerなどで活動してきたMatthew Bowerとニューヨークの女性ギタリストMarcia Bassetによるユニット。マイブラ的な甘さもほのかにただよわせるサイケデリック・ドローンには日本的な侘び寂びも感じられる。

2014年9月1日月曜日

Nam June Paik & Vassilakis Takis「Duett Paik/Takis」

美しく、厳かに響くピアノとダイナミックな金属音を打ちつけるメタル・パーカッションが生み出すコントラストと間を活かした構成に耳を奪われる。灰野敬二「わたしだけ?」が好きな人にも聴いて欲しい。